Rank Tracker(ランクトラッカー)で順位計測を続けていると、画面を眺めるだけで終わっていることがあります。
個人であればそれでもいいかもしれませんが、企業の場合は、一か月や四半期ごとの資料作成が必要です。
先日、Rank TrackerのプロジェクトファイルをAIに読ませてみたところ、1か月分の順位状況が1ページにまとまったレポートを出力できました。
使ったプロンプトを紹介します。
この記事で分かること
- RankTrackerのプロジェクトファイルを使ってAIでレポートを作成する方法
- レポート作成に使ったプロンプト
- 作成したレポートの内容
Rank Trackerのデータから仮レポートを作りたい
Rank Trackerのデータを使ってレポートを作成したいけど、既存のレポートでは物足りない。
「圏外に落ちたキーワードだけを並べたい」「カテゴリごとに調子を比べたい」などです。
そこで本番の前段に置いたのが、たたき台としての仮レポートです。
| Rank Trackerの標準レポート | 仮レポート | |
|---|---|---|
| 配布のしやすさ | 高い(PDF/HTML、ホワイトラベル) | 中(自分でファイルを渡す) |
| 指標の自由度 | テンプレートの範囲内 | 自由に決められる |
| 作成時間 | 数分 | 初回15分、2回目以降は3分 |
| 追加費用 | プラン費用に含まれる | なし(AI環境は別途) |
仮レポートを作成するメリットは、何を載せるべきかを決められることです。
プランごとの出力制限はRank Trackerのデータはファイル出力(エクスポート)できない?で整理しています。
.stkファイルには何が入っている?
.stkはRank Trackerのプロジェクトファイルで、キーワード、検索エンジン、計測日ごとの順位、ランクインしたURLが、計測を始めた日から丸ごと残っています。
ローカル保存が.stk、クラウド保存が.stkcです。
手元のプロジェクトを1つ調べてみると、
- ファイルサイズ:約25MB
- 順位レコード:37,144件
- 計測日:846日分
- 計測開始:2023年1月
というのが分かり、3年半分の履歴が1つに収まっていました。
サイズはキーワード数と運用年数でほぼ決まり、別のプロジェクトでは約133MBありました。

取り出せるデータ
- キーワードと検索ボリューム
- 検索エンジンの種類(PC・モバイルを別々に記録)
- 計測日
- 順位
- ランクインしたURL
- 圏外だったかどうかの判定
- 同じサイト内で別のURLが同時にランクインしていた場合、その順位
画面に表示されていないだけで、過去の計測結果は消えずに残っています。
どうやってレポートにする?
ファイルの場所を伝えて、プロンプトを渡すだけ。
コードはAIが勝手に書いてくれるので、自分では1行も書きません。
なお、独自形式バイナリなので、ファイルを直接読み書きできるAI環境が必要です。
僕はClaude Codeを使いました。Codexでもできると思います。
手順
- .stkファイルをコピー。原本は怖いので触りません。作業前にRank Trackerは閉じておきます
- コピーしたファイルの場所を指定して、プロンプトを実行します
- 必要なら、出てきたレポートを見て、気になるところをチャットで直します
初回は15分ほどかかりました。
使ったプロンプト
指示は下記の1行だけです。
[コピーした.stkファイルのフルパス]を使って、7月のレポートをアーティファクトで作成してください。
実際にどんなレポートができた?
1か月分の順位状況が、サマリー・推移グラフ・変動リスト・一覧表の4ブロックで出力されました。

サマリーには、TOP10・TOP20・圏外のキーワード・平均順位などが前月末との比較つきで表示されます。
今回はTOP10が7語から5語へ、圏外が9語から11語へ増えてしまいました。
「なんとなく下がった気がする」が数字で分かります。

順位分布の推移は、計測日ごとにどの順位帯へ何語いるかを積み上げたグラフです。
この月は7月14日から21日にかけて圏外が18〜20語まで膨らみ、月末には11語へ戻っていました。
日単位で見ないと気づけない動きが分かります。

変動リストでは、前月末と比べて上がった語・下がった語を確認できます。
キーワード一覧には、前月末・月初・月末・最高順位・平均順位・ランクイン率・推移の折れ線が表示されます。
ランクイン率は、26回の計測のうち何回ランクインしたかの割合です。
この列があると、どのくらい順位をキープできていたかが分かります。今回の測定期間中にずっとランクインしていたのは5語だけ。
一方で、7月中に一度も順位がつかなかった語も4語ありました。
企業やクライアント業務でも使える?
定例報告のたたき台としては有効です。
ただし、そのまま納品物にするのは避けたほうがいいと考えています。
向いているのは、定例の前に状況を把握しておく使い方です。何が起きたかを先に理解してから資料を作れるので、報告の質が変わります。社内共有にも使えます。順位の話は担当者以外に伝わりにくいのですが、TOP10件数や圏外件数のような数え上げの指標にすると、SEOに詳しくない人にも状況が伝わります。
正式な納品物としては標準レポート機能のほうが適しています。Enterpriseのホワイトラベルならロゴや配色を入れられますし、送信スケジュールも組めます。仮レポートで構成を設計してから、本番はRank Trackerで配布する分担が現実的です。
なお、受託案件の順位データは委託元の情報です。ファイルを渡す前に公開範囲を必ず確認してください。
使うときに気をつけることは?
気をつける点は2つ。
「原本を触らないこと」と「出てきた数字を鵜呑みにしないこと」です。
原本ファイルは壊れないように、コピーしてから使います。
非公式な扱い方なので、アップデートでファイルの構造が変わる可能性にも注意が必要です。
サマリーの平均順位に注意
サマリーの平均順位は、ランクインした語だけで計算されます。
圏外の時は平均計算に入りません。
順位が下がって圏外へ落ちると、その語は母数から抜けます。
計算上、残った語の平均は良くなります。
状況は悪化しているのに、平均順位は改善してるように見えてしまいます。
| 見る指標 | 6月末 | 7月末 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| 平均順位だけ | 17.5位 | 17.7位 | ほぼ横ばい。特に問題なし |
| TOP10件数 | 7語 | 5語 | 2語減っている |
| 圏外件数 | 9語 | 11語 | 2語増えている |
今回の資料では、圏外が大きく増えていないので、おおむね信じてよさそうです。
もし圏外が増えて、平均順位が大きく改善している場合は、要注意です。
よくある質問
無料版のRank Trackerでも作れますか?
できません。
無料版はそもそも順位チェック履歴が残らないので、作成する意味がありません。
Rank Trackerの標準レポートは使わなくてよくなりますか?
そういうわけではないです。
仮レポートは、何を載せるかを決める段階と、社内で状況を共有するための道具です。
.stkファイルをExcelでそのまま開けますか?
開けません。表計算ソフトが読める形式ではなく、独自のバイナリ形式です。
中身を見るには、いったん読み取って別の形式に変換する工程が必要になります。
この記事の方法は、その変換をAIに任せています。
毎月同じレポートを作り直す必要がありますか?
同じプロンプトを使い回せます。
差し替えるのは期間の指定だけです。
まとめ
.stkファイルには計測開始からの履歴がすべて残っています。
ファイルの場所を伝えてプロンプトを1つ渡せば、共有できる形の仮レポートになります。
報告用に絞る、カテゴリ別に組み替える、対応リストにする、といったことが可能です。
注意しないといけないのが、平均順位の扱いです。
圏外が増えるほど平均は良く見えてしまうため、TOP10件数と圏外件数を並べる必要があります。
まずは.stkファイルをコピーして、プロンプトを試してみてください。
これからRank Trackerを導入する場合は、Rank Trackerのダウンロード・インストール方法からどうぞ。