疑問
・分かりやすい文章を書くコツは?
この記事でいう「分かりやすい文章」とは、書いてある内容を読み手が理解しやすいという意味です。
この記事では、分かりやすい文章を書くための17の法則を紹介します。
分かりにくい文章は、読み手が疲れてしまい、言いたいことも正確に伝わらず、離脱されてしまいます。そうならないために必要になってくるのが、分かりやすい文章を書く技術です。
記事前半では、簡単な法則を、後半では、文章の構造に関する法則を紹介します。例文付きで紹介しているので、繰り返し読んで習得してください。
分かりやすい文章を書くためのコツ
一文一義
一文一義とは「一つの文で、一つの情報を伝える」というルールです。これを使うだけで、分かりやすい文章になります。
「。(句点)」を使って文章を分割すれば、一文一義になります。
✕悪い例
最近、私が感じたのは、分かりやすい文章を書く時は「一文一義」を使った方がよいということで、一つの文でたくさんの情報を伝えようとすると、文が長くなってしまい、文の前半で何を言っていたのかを忘れてしまうため、かえって分かりづらい文になってしまいます。
〇良い例
最近、私が感じたのは、「一文一義」を使えば、分かりやすい文が書けるということです。一つの文でたくさんの情報を伝えようとすると、文が長くなってしまいます。長い文は、文の前半で言っていた内容を忘れてしまうため、かえって分かりづらい文になってしまいます。
ただし、一文一義には、下記のデメリットもあります。
一文一義のデメリット
- 幼稚な文になる
- 高圧的な印象を与える
- ぶつ切りの文で読みにくくなる
デメリットの回避方法は、分割した文をつなぎ合わせて、長い文に戻すだけです。
✕悪い例
PHPプログラミングができるようになりたいです。PHPが使えれば、WordPressのちょっとした修正ができるようになります。今まで外注していたプログラムの修正がいらなくなります。これは予算の節約にもなります。
〇良い例
PHPプログラミングを習得したい。なぜなら、WordPressのちょっとした修正が自分でできるようになり、プログラム修正を外注せずにすむからです。これは予算の節約にもなります。
箇条書きを使う
読み手に情報を整理して伝えられる「箇条書き」は、複数の情報が同じレベルで並ぶ時に使うと便利です。また、視認性がよくなり、重要な情報が伝わりやすくなります。
✕悪い例
この記事では、分かりやすい文章が書けるように、一文一義、箇条書き、主語と述語を近づける、接続詞を正しく使うといった方法を紹介しています。
〇良い例
この記事では、分かりやすい文章を書くための、4つの方法を紹介します。
・一文一義
・箇条書き
・主語と述語を近づける
・接続詞を正しく使う
必要のない言葉を消す
文中に余計な言葉(語句)が入っていると、文が長くなり、分かりにくくなってしまいます。なくても意味が通じる言葉は削除しましょう。
よくあるのが、SEO対策を意識しすぎて、キーワードをたくさん埋め込んでしまうことです。キーワードの埋め込みも大切ですが、ユーザーファーストで読みやすさを優先しましょう。
✕悪い例
私は副業ブログをはじめました。なぜなら、退職後に生活費が2,000万円不足し、資産形成の自助努力が必要であるという、金融庁の報告書を見たからです。
〇良い例
私は副業ブログをはじめました。退職後に生活費が2,000万円不足するという、金融庁の報告書を見たからです。
難しい言葉を使わない
難しい言葉や見慣れない漢字を使うのはやめましょう。読めない言葉に意識がいってしまい、それ以降の文章が記憶に残らなくなります。
✕悪い例
デジタル・デバイドをなくすのに必要なのは、情報インフラの整備とITリテラシーの教育です。
〇良い例
情報格差をなくすのに必要なのは、情報インフラの整備と情報を適切に理解するための教育です。
✕悪い例
漸く
〇良い例
ようやく
二重否定を使わない
二重否定を使うのはやめましょう。内容を理解するのに時間がかかり、誤読や混乱の元になるからです。二重否定を肯定表現に変えれば、分かりやすい文になります。
✕悪い例
1時間で2,000文字なら、簡単に書けなくもない。
〇良い例
1時間で2,000文字なら、簡単に書ける。
二重表現(重言)を避ける
二重表現(重言)とは、同じ意味の言葉を重複して使っていることです。
間違った使い方に、慣れてしまっている言葉もあります。正しい使い方で書き換えましょう。
✕悪い例
一番最初にやることは、ワードプレスの設定です。
〇良い例
最初にやることは、ワードプレスの設定です。または、
一番初めにやることは、ワードプレスの設定です。
間違えやすい二重表現には、下記の言葉があります。
二重表現(重言) | 正しい使い方 |
一番最初 | 最初、一番初め |
一番最後 | 最後、一番後 |
あとで後悔する | あとで悔やむ、後悔する |
事前に予約する | 予約する |
最後の切り札 | 最後の手段、切り札 |
はっきりと明言する | 明言する |
ダントツ1位 | ダントツで優勝、1位 |
過半数を超える | 半数を超える、過半数に達する |
被害を被る(こうむる) | 被害を受ける |
思いがけないハプニング | ハプニング |
お身体ご自愛ください | ご自愛ください |
返事を返す | 返事をする |
返事が返ってくる | 返事がくる、返事が戻ってくる |
犯罪を犯す | 罪を犯す、犯行に及ぶ |
同じ文末にしない
同じ文末にならないように注意しましょう。同じ文末が続くと、くどい文章になってしまい、幼稚な印象になります。
✕悪い例
記事を書く時に重要なのは、記事構成です。なぜなら、構成案を作らずに書いていくと、自分の好きな事を書いてしまうからです。そのため、記事構成を作成して、記事の流れや内容を決めることが大切です。
〇良い例
記事を書く時に重要なのは、記事構成です。記事構成を作れば、そこから外れて好き勝手に書いてしまうのを防ぐことができます。まずは、記事構成を作成して、記事の流れや内容を決めることが大切です。
同じ表現(語句)を使わない
同じ表現(語句)を繰り返し使うと、読み手にくどい印象を与えてしまいます。できるだけ別の言葉で書き換えて、文章を作りましょう。
別の言葉に書き換える時は、類語検索を使うと便利です。検索しても類語がない場合は、言い回しを工夫しましょう。
✕悪い例
記事を書く時は、まず記事構成を考えてから書きましょう。そして、実際に書く時は、読みやすさを意識し、分かりやすさも意識すれば、伝わる文章が書けます。
〇良い例
記事本文を書く前に、記事構成を考えましょう。その記事構成を元に、読みやすさ・分かりやすさを意識すれば、読み手に伝わる文章が書けます。
「~こと」をできるだけ使わない
「~こと」を使うと、くどい文章になってしまいます。極力使うのをさけ、別の言い方で書きましょう。
✕悪い例
簡単に修正することができます。
〇良い例
簡単に修正できます。
指示語を具体的に書く(もしくは削除する)
指示語とは、「これ」、「それ」、「この」、「その」など、前の文章で述べた内容の繰り返しをさけるために使う言葉です。
文が長いと、指示語が指している内容を忘れてしまい、前の文を読み返さないといけません。これでは、読み手に負担をかけてしまいます。指示語を具体的に書くことで、読み手の負担を軽減できます。
例えば、下記の悪い例では、記事が書けない原因の「疲れている」と「ビールを飲んでしまう」のどちらを、指示語で指しているか分かりません。
✕悪い例
疲れているとパソコンを起動しても、記事を書く気になれず、ビールを飲んでしまう。それが原因で記事が書けない。
〇良い例
疲れているとパソコンを起動しても、記事を書く気になれない。そこで、景気づけにビールを飲んでから書こうと思ったのだが、よっぱらって寝てしまった。
✕悪い例
記事の新規作成よりも、リライトの方が手間がかからない。その理由は、記事の全文を一から考える必要がないからです。
〇良い例
記事の新規作成よりも、リライトの方が手間がかからない。理由は、記事の全文を一から考える必要がないからです。
主語と述語を近づける
述語(何だ・どんなだ・~する・~している)とは、主語の動作・作用・性質・状態などを表す語句や文のことです。
主語と述語を近づけると、つながっている部分が明確になり、分かりやすい文になります。
✕悪い例
WordPressは、テンプレートを変更するだけでブログ全体のデザインが変更できて、カスタマイズも簡単なので、ブログを書く時に欠かせないCMSです。
〇良い例
テンプレートを変更するだけでブログ全体のデザインが変更できるWordPressは、カスタマイズも簡単にできるので、ブログを書く時に欠かせないCMSです。
ただし、主語が後ろの方にいってしまうと、何について書いているのか分からなくなってしまいます。
✕悪い例
テンプレートを変更するだけでブログ全体のデザインが変更できて、カスタマイズも簡単にでき、独自のCSSも追加できるので、はてなブログは便利です。
〇良い例
はてなブログは、テンプレートを変更するだけでブログ全体のデザインが変更できます。また、カスタマイズも簡単にでき、独自のCSS追加機能も使えて便利です。
複文のように、「外側の主語と述語が離れている時」や「内側の主語と述語が長い時」に、外側の主語と述語を近づけるようにすると分かりやすい文になります。もし、近づけるのが難しい場合は、文を分割して一文一義にしましょう。
接続詞を正しく使う
接続詞(前後の文と文をつなぐ言葉)を正しく使いましょう。接続詞の意味を理解すれば、正しい使い分けができます。
✕悪い例
検索順位チェックツールを使うと、キーワード選定力がアップします。つまり、自分の選定したキーワードの効果測定ができます。
〇良い例
検索順位チェックツールを使うと、キーワード選定力がアップします。なぜなら、自分の選定したキーワードの効果測定ができるからです。
接続詞には、下記の種類があります。接続詞の意味も合わせて確認しておきましょう。
種類 | 意味 | 接続詞の例 |
順接 | 前の文の理由により、後の文が結果を述べる | だから、そのため、それで、そこで、すると |
逆説 | 前の文とは反対の事がらが、後の文に続く | しかし、だが、けれど、でも |
並列 | 前の文と後の文を並べて述べる | また、および、かつ |
添加 | 前の文に後の文を付け加える | さらに、そのうえ、そして、それから |
対比 | 前の文と後の文を比較する | 一方、逆に、その反面 |
選択 | 前の文と後の文をのどちらかを選択する | または、もしくは、あるいは |
説明 | 前の文の理由・根拠を後の文で述べる | なぜなら、なぜかというと、というのも |
理由 | 前の文の理由を後の文で述べる | なぜなら、なぜかというと、理由は |
補足 | 前の文に後の文で補足する | ただし、なお、ちなみに |
簡略 | 前の文をまとめる | つまり、要するに |
実例 | 前の文についての具体例を述べる | 例えば、具体的には |
結果 | 前の文に対する結果を述べる | その結果、結果として |
接続助詞を正しく使う
接続助詞(~が、~だが、~ので、~ため、~など)は、接続詞と同じ働きをする言葉です。前の文の終わりに追加して、後ろの文をつなげることができます。
接続助詞を使いすぎると長い文になり、文がねじれてしまいます。また、同じ接続助詞を繰り返し使うと、幼稚な文章になってしまうため、使いすぎには注意が必要です。
ねじれとは、前の文と後の文の関係が正しくないことです(例:僕の夢はウェブライターになりたいです)。
✕悪い例
記事を書くのは初めてだったので、一文一義などのテクニックを教えてもらったため、簡単に書けた。
〇良い例
一文一義などのテクニックを教えてもらったので、初めての記事でも、簡単に書けた。
文が長くなってしまった場合は、一文一義を使って調整しましょう。
✕悪い例
ブログで稼ぐのは大変だと思ったが、1,000円は簡単に稼げたが、1万円になると大変になったが、1年間ずっと記事投稿を続けていると簡単に稼げるようになっていた。
〇良い例
ブログで稼ぐのは大変だと思ったが、1,000円は思いのほか簡単に稼げた。ところが、1万円になると、そう簡単にはいかなかった。それでもあきらめずに、1年間継続して記事投稿していると、いつの間にか稼げるようになっていた。
接続助詞の「~が」は、順接(前の文と後ろの文を単純につなぐ)でも使えますが、逆接(前の文とは反対の事が後に続く)で使いましょう。
✕悪い例
私はリンゴが好きだが、ミカンも好きだ。
〇良い例
私はリンゴは好きだが、ミカンは嫌いだ。
上記の悪い例で、順接の「~が」を使わない場合は、「私はリンゴもミカンも好きだ。」が正しい文になります。
受動態を使わない
受動態とは、自分以外の第三者から「~される(~された)」という、受け身の表現方法です。受動態を使うと、弱い印象の文になってしまいます。
そのため、行動主体が自分の場合は、能動態を使って書きましょう。能動態とは、自分から「~する(~した)」という、自発的な行動を表します。
✕悪い例
今日の20時に、私の書いた新しい記事が投稿されます。
〇良い例
今日の20時に、私の書いた新しい記事を投稿します。
無理に能動態を使わずに、受動態にした方がよい場合もあります。
下記の例は、「サイトが入力フォームを表示する=自分は入力フォームが表示されるのを待つ」ので、受動態を使った方が自然な文になります。
✕悪い例
ページが切り替わって、ページが入力フォームを表示したら、名前と住所を入力してください。
〇良い例
ページが切り替わって、入力フォームが表示されたら、名前と住所を入力してください。
修飾語は被修飾語の近くにおく
修飾語とは、他の文をくわしく説明する文で、被修飾語は、修飾語によって、くわしく説明される文です。
被修飾語の近くに修飾語をおくと、修飾している言葉が明確になり、分かりやすい文になります。
✕悪い例
有名なSEOライティング会社が、クラウドソーシングでライティングの仕事を依頼する時に必要な作業をまとめた本を読んでから発注した。
〇良い例
クラウドソーシングでライティングの仕事を依頼する時に必要な作業をまとめた、有名なSEOライティング会社が書いた本を読んでから発注した。
修飾語と被修飾語の距離によって、意味が変わってしまうことがあります。
「教科書が緑色」の場合。
✕悪い例
緑色の箱の中に入っている教科書を出してください。
〇良い例
箱の中に入っている、緑色の教科書を出してください。
「パソコンは3台、プリンターは1台」としたい場合。
✕悪い例
3台のパソコンとプリンターをLANケーブルにさして、接続してください。
〇良い例
パソコン3台とプリンター1台をLANケーブルにさして、接続してください。
修飾語は長い修飾語から順に書く
修飾語は長い修飾語を先に、短い修飾語を後に書きます。
✕悪い例
ツイッター運用特典付きの、月5万円を稼ぐために必要なライティングテクニックが書かれた電子書籍を購入した。
〇良い例
月5万円を稼ぐために必要なライティングテクニックが書かれた、ツイッター運用特典付きの電子書籍を購入した。
修飾語は大状況から小状況の順に書く
修飾語は、大状況から小状況の順に書くというルールがあります。
✕悪い例
一人の男が傘も差さずに、雨の中を歩いている。
〇良い例
雨の中を傘も差さずに、一人の男が歩いている。
【まとめ】分かりやすい文章を書くためのコツ
以上が、分かりやすい文章を書くためのコツです。
下記の3つを意識するだけでも、文章が分かりやすくなります。
文章が分かりやすくなるコツ
- 一文一義
- 箇条書きを使う
- 主語と述語を近づける
記事後半は、文の構成要素(主語・述語、修飾語・被修飾語、接続詞・接続助詞、能動態・受動態)がでてきて、苦手意識を感じたかもしれません。
小中学生の頃は、理解できなかったかもしれませんが、今読み返すと、簡単なことが書いてあります。是非、一回読んで活用してください。
下記の2つの記事で、質の高い文章を書くためのコツを紹介しています。是非読んでみてください。
文章を書く時のコツ